「ある悲しいお話」1/2
ワンマンなアンクルが病気で倒れました。
アーントは数十年アンクルの言うがままに、アンクルのために自らの生活も
犠牲にして生きてきたような人でした。
アンクルは少し痴呆もあり、施設への入所待ちの間、家で看護する事に
なりました。
………そしてその日から、アーントの反撃がはじまりました。
何も言い返せない、小さくなったアンクルに、毎日、朝から晩まで大声で、
アーントは叫びました。
その叫び声を一回聞いただけでも、気が滅入るような言葉を、毎日、朝から
晩まで大声で、アーントは叫びました。
「うるさい!!」「何だって!?」「聞こえないよ!!」
「おんなじ事ばかり、朝から晩まで、何言ってんだかわかんないよ!!」
私が、時々家に行くと、こんな叫び声まで道にも聞こえて来ます。
「○ね!!」「さっさと○んじまえ!!」「絞め殺してやろうか!!」
アンクルが元気な頃はそんな叫び声はひとつも聞こえませんでした。
アンクルとアーントの優しい笑顔が浮かび、楽しく笑いあう声がいつも
聞こえました。
引用元: ・【8月18日】百物語本スレ【怪宴】
2/2
私は、アンクルは悪いことをしていないのに、かわいそうと思いました。
悪い言葉を叫べば叫ぶほど、アーントの心の悲鳴が聞こえるようで、ある日
アーントに言いました。
「アーント、いつも大変ですね、でも、いくら憎いことがあっても”○ね!”
なんて言ってはいけません。悪い言葉は、必ず自分に返ってくるものです。」
しかしアーントはこう言って笑いました。
「あたしは叫ぶ事がストレス解消になるんだよ。今まであのひとには我慢に
我慢を重ねて来たからねぇ」
アーントの笑顔はいつもの笑顔だったので、私はとても悲しい気持ちになり
ました。
私の言葉も、もうアーントには聞こえないみたいでした。
そんな日々が一年も続いたでしょうか。
ストレス解消をしていたはずのアーントは、心筋梗塞で倒れてしまいました。
・・・・・・そんな、悲しい、悲しい、お話。
・・・・・・言霊は本当に恐ろしい、という、お話。
~ 完 ~
二十本目の蝋燭が消えました・・・
三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、ありがとうございました
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コッソリ◆.PiLQRq.0Aさん、第二十一話をお願いします
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