第5話 「通り道」
蒸し暑い夏の夜 、窓を 全開にしていた。
窓の外1メートル先には隣家の白い柵があり、朝顔の蔦が絡まっている。その柵の後ろには白い塀があった。
窓の前に置いたテレビを見ていると、視界の隅を何かが横切った。
視線を移すと、隣家の柵の後ろを黒いナマコのようなものが移動していた 。
驚いてよく見るとそれは黒猫だった。
それだけだったら平凡な風景だったのだが、その黒猫は忍者服を着ていたのだ。黒猫に黒い忍者服。
隣家が新たに飼い始めた猫なのだろうか?
近辺で黒猫を見掛けたのは初めてだった。
飼い主のエゴであんなもの着せられて可哀想だなと思ったのだか、可愛いいのも事実である。
黒猫は悠々と塀の上を歩き、闇に消えていった。
翌日、あの猫にまた会いたいなと思った僕は、お菓子タイプのキャットフードを買った。
夜になって、 隣家の人に見つからないように窓 から上半身を乗りだし、手を伸ばして、柵の後ろの白い塀の上に、 キャットフードを置こうとして気が付いた。
それは塀などではなく、厚さ数ミリの白いプラスチックボードが、柵に立て掛けられているだけだったのだ。
その後、あの猫を見掛けることはなかった。
【終わり】
引用元: ・【8月18日】百物語本スレ【怪宴】
五本目の蝋燭が消えました・・・
ダメレオン◆aKQ2SJ2lbMさん、ありがとうございました
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何でも◆3/OAb1.6.2さん、第六話をお願いします
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