引用元: ・幼少から続いてる恐ろしい体験を話す
・・・ん?
俺は違和感を感じた。
俺が見ていた夢と比較してみてどうだろうか。
5、6は正に俺の見ていた夢と合致する。
しかし、1、2、3、4が不可解だ。
まず、C菜は加奈子なんて名前じゃない、更にはクセっ毛のC奈と比べて容姿がかけ離れている。
仮に加奈子さんの夢が俺の見ていた夢と同じだとしても
あくまでC菜は俺とA男を連れて行きたいのであって、他人の夢に現れる意味が分からない。
そして、中学生くらいの女の子・・・C菜が亡くなった時は小学校4年生だ、中学生、ましてや高校生と見間違える可能性は低い。
うーん、考えれば考えるほど分からなくなる。
俺の頭の中はクエッチョンマークだらけだった。
俺「何で加奈子さんの噂って言われてるの?」
俺は率直に尋ねてみた。
クラスメート「知らない、夢に出てくる女の子が加奈子さんっていうんじゃないの?」
俺「うーん」
C菜の夢とは相違点が多いものの、全く同じ部分もある。
目と舌と歯が無くて、手を引っ張って行く少女・・・これは偶然の一致なのか?
更には、引きちぎられたお守り・・・。
ダメだ、考えれば考えるほど分からなくなる。
様々な疑問を抱えたまま、俺は帰路に着いた。
その日、お守りが無くなったことにより、夢を見てしまうのではないかと危惧したが
夢を見ることはなかった。
それからは、何事もなく日常が過ぎていった。
C菜の夢を見ることもなく、平和だった。
しかし、相変わらず加奈子さんの噂は続いていたが・・・。
そんなある日を境に、友人Aが学校に来なくなった。
まさか・・・とは思ったが、さしたる証拠も無いのに安易な考えは出来ない。
そんな心配を他所に、クラスメート達は勝手に噂をしている。
クラスメートA「絶対、加奈子さんに連れて行かれたんだよー」
クラスメートB「夢を見たって言ってたもんねー」
クラスメート達の無神経さに軽い苛立ちを覚えたが、確かに友人Aのことは気になる。
俺「調べてみるか」
しかし、友人と言っても携帯の番号やアドレスを知っているほどの仲では無かったため、まずは友人Aと親しかったクラスメートに話しを聞くことにした。
俺「なあ、最近Aを見ないけど風邪か何かか?」
クラスメートC「俺も分からねえ、メールの返事も無いし電話しても出ないんだよ」
俺「そうか、ありがとう」
これは担任の先生に聞いてみるのが早いだろう。
俺「先生、最近Aって何で休んでるんですか?」
先生「んー家庭の事情だ」
俺「家庭の事情?」
先生「ああ、落ち着いたら来るんじゃないか」
俺「そうですか」
そう言いつつも、俺は何か釈然としない気持ちを抱えていた。
そこで俺は直接Aの家へ行って聞いてみることにした。
何でここまでしているのか俺にも良く分からない。
でも、やはりあの噂はあまりにも気になる。
おい見てしまったじゃないか
大丈夫だよな?
ここか・・・
翌日、俺はクラスメートに住所を教えて貰い、放課後の時間を使ってAの家までやって来た。
Aの家はさほど学校から離れておらず、ごく普通の住宅街にあった。
一軒家だったが、かなり古い作りで、所々がひび割れている。
俺「A、居るかな、居たとしても何を話せば良いんだろうか」
突然押しかけてきて、迷惑だよなあ・・・
そう思いながら、玄関のチャイムを押す。
大丈夫だ
・・・
・・・
返事がない。
俺「留守かな」
その後何度も押しても、誰かが出てくることはなかった。
ふ、と家を見上げてみる。
俺「ん?」
窓際の所、女性が立っている。
あんなにチャイム鳴らしたのに何で出ないんだろうか。
ずっと窓際を見ていると、女性がこっちを向いた。
俺「う・・・」
曇りガラスのせいでぼやけて見えないが、面と面で向き合った瞬間、なんとも言えない寒気がした。
俺「え?」
俺と目が合った後、女性はなぜか、腕を伸ばし、顔と腕をガラスに張り付けた。
掌と腕を、べったりと。
俺「お、おじゃましました!!」
あまりの不気味さに、俺は聞こえるはずもないのに声を出して、逃げるように去った。
何なんだよアレ・・・おっかねえ。
Aの姉か妹だろうか?何であんなに鳴らしたのに出てくれなかったんだろうか。
尤も、あんな不気味な人が出てこられても困るが・・・。
翌日、気になった俺はクラスメートに尋ねてみることにした。
俺「なあ、Aって姉か妹っていたっけ?」
クラスメートC「いやーアイツは一人っ子のはずだぞ」
俺「そ、そうか」
まあ、母親という可能性も0ではないが・・・
そこから何日も経過したが、相変わらずAは学校に登校して来なかった。
そして、ある日の晩
ちょっと小腹が減っていた俺は、コンビニまで自転車で走ることにした。
時間的には結構な夜中だったが、コンビニまですぐだし、気にしないことにした。
そんな中、コンビニへ向けて軽快に自転車を走らせている最中、後ろから大声で呼び止められた。
???「そこの君!!止まりなさい!!!」
俺「え?」
振り向いて見ると、自転車に乗っている警官だ。
俺は立ち止まり、警官が近づいてくるのを待った。
警官はかなり、怒った顔をしている。
やっば・・・、夜中に出たから怒られるのかな
自分の後ろが気になる・・・
警官「二人乗りなんてしちゃダメじゃないか、そんなスピード出して!!」
俺「え?」
警官「後ろの子は・・・あれ?」
俺「俺、二人乗りなんてしてないっすよ」
警官「そんなはずはないだろう?女の子が後ろからしがみ付いているのが見えたぞ」
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