【第三十話】 bear熊 ◆8eK43Dg0M 様 『足りない』
俺が母校にいった話。
その日同窓会があった俺は、酔った挙げ句、母校に行かないか という話になった。
メンバーは俺と仲良しだった4人。 時刻はPM9:00。こんな時間に行く馬鹿がいるんだと思いながら道を歩んでいた。
その途中、Aが怪談話をしてきた。
それは、
『夜に理科室の人体模型が喋る』というものだった。
要約すると、
・夜、理科室行くと、人体模型の心臓とか腕とかがバラバラになっている。
・それを直すと、「足りない」と聞こえるというとの事だ。
俺等はその話を鵜呑みにはしなかった。皆、嘘だ嘘だといっていた。
するとAは、じゃあ行ってこいよ、といったのだ。皆、渋々賛成して、じゃんけんをして、負けた2人を行かせる事にした。
負けたのは、俺とB。Bが実行役、俺は撮影役だった。
学校につき、門を飛び越え、入口へ行った。鍵を盗んでいたCが扉をあけ、理科室へ直行した俺とB。
理科室のドアもCから鍵を借りて、中に入った。
人体模型を探してると、ゴツンと音が聞こえた。頭部が転がっていたのだ。
俺はBに「ヤバイヤバイ。帰ろうぜ!」と言うと、彼は
「ん?あと頭部だけなんだが……それ以外になにが足らねぇんだよwww」と笑っていた。
確かに、俺もそこが疑問だった。
人は、 脳,臓器,血液、骨, 肉があれば最低限生きられるハズって聞いていた。
あの模型には、腕,足,顔のパーツもそろっているのに…
そう思い自分の体を触っていると、一つ気づいてしまったのだ。
あの模型には皮膚がない、と。
その時、不気味な声が聞こえたと思うと、Bに絡み付く人体模型が言った
『足りない』と。
その後の捜査によると、Bの姿はなく、人体模型だけがあったという。
まだ『足りない』は続いている。
了
引用元: https://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1377258497/
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