憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『猫』
うちには猫が二匹いる。
もともと野良なのだが、まだ子猫の頃に寒空の中うちの近所でにゃあにゃあと助けを呼ぶように鳴いているところを母親に拾われて家族の一員になった。
猫が家にきて半年ほど経ったころの話。
その日は夜中に目が覚めた。
もともと眠りが浅いのでいつものこと、いつものように何かを飲もうと台所へと向かった。
自室を出てリビングへ、すると足元に猫がいる。
電気をつけておらず、真っ暗な中でも妙にはっきりと見えるその猫はうちの猫ではなかった。
家はマンションの八階で見知らぬ猫が入ってこれるような場所ではない。
不思議に思っているとその猫は、俺の足にすり寄ってきた。
撫でてやろうと思い手を伸ばすと、こちらを見て笑顔で一声「にゃあ」とだけ鳴いて、その猫は消えた。
その顔を見てもしかすると、と思った。
笑った顔がうちの猫にすごく似ていた。
後日母親にその話をしてみた、やはり猫は最初三匹いたみたいだ。
実は母親は拾ってくる数日前から子猫の鳴き声が聞こえて気になり、探してはいたがなかなか見つけられなかった、そのときは三匹分の鳴き声が聞こえていたらしい。
そして拾ってきた日、ついに子猫を見つけれたが二匹しかいなかった。
聞き間違いか?とも思ったみたいだが、俺の話を聞いて納得したみたいだ。
「もう少し早く見つけられたらねぇ……。」と母親は遠くを見ながら寂しそうにつぶやいた。
それにしても一番猫の世話をできていない俺の元へなぜきたのか、それが一番不思議でならない。
家族で唯一かなり薄いながらも霊感があるからだろうか。
それ以降その猫には会っていないが、ありがとうを言いにきたのか、二匹をよろしくと言いにきたのか、どちらにしろその猫を思うと少し切なくなる。
終わり。
引用元: ・【8月18日】百物語本スレ【怪宴】
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第九十三話をお願いします
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