五十一話 「真・おいてけ掘」
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中学時代に同級生だった友人の話だ(本人によれば実話です)
うちの市内には大手掘という古い掘割があって、魚がよく釣れるという噂なのだが
そこは昼間でも薄気味の悪いところなのなので近所のものは誰もいかない。
ある日、友人はそこで釣りをしてみたところこれが爆釣で1時間で10匹以上釣れた
ほくほくで帰ろうとすると、堀の方から「おいてけ~」「おいてけ~」と声がする
折角の気分に水を差されて彼は意固地になり、その場で魚を焼いて食べてしまい
魚の骨だけ堀に返してやったという
彼は神も祟りも恐れぬやつだったのだ。
ようやく声の聞こえなくなる所まで来ると、道端に女がひとりでうずくまっている
彼は「さては のっぺらぼう だな、引っかからんよ~笑」とか思って女を無視して通り過ぎた
すると、「あの、もし・・・」と女の方から話しかけてきた
見れば別にのっぺらぼうではなく普通にかわいらしい娘だった
何の用ですか? 彼が尋ねると、娘は「これを読んでください」と冊子のような物をくれた。
冊子は、「ものみの塔」「目覚めよ!」と書いてあるものだった。
さらに娘は「あなたもエホバの証人になりませんか」「今週の日曜礼拝が・・・」などと
勧誘してきたのだ、娘はエホバの証人の宣教員だったのだ!!
引用元: ・【8月18日】百物語本スレ【怪宴】
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実は彼の家の近所にエホバの施設があって勧誘がしつこく来くるので、彼の家ではみんな困っており
彼はこの教団によい感情を持っていなかった。
彼が話を断ると、娘は「どうしてもですか」と言うので、彼が「どうしてもだ」と答えた
すると娘はうつむいて「これでもですか?」と言い、再び顔を上げると、そこには目も鼻もないのっぺらぼうが。
しかしあらかじめ予想していた展開に彼は驚かず、逆にのっぺらぼうの顔面にライダーキックをぶち込んだ
女は吹っ飛んで消えてしまった。
まさかエホバだったとは~とんでもないのっぺらぼうだったぜ、とか思いながら彼は自分の家へ帰り着いた。
家に入ると彼の母親が居て「あらおかえりなさい」と言ってきた
彼は「さっき、堀のところで変なやつを見たよ・・・」と、靴を脱ぎながら答えた
すると母親は、「もしやお前が見た変なやつというのは・・・こんなのだったかい?」
見ると、母親の手にはものみの塔と目覚めよ!の冊子、棚には新世界訳聖書が鎮座していた
さあお前も聖書を研究してバプテスマをうけるのですよ、ハルマゲドンは始まっているのよ
なんと、彼の家族もエホバ信者になっていたのだった・・・彼はたまげてひっくり返ってしまった。
なんとも恐ろしい堀ですな
可部◆0ZomiFbhPAさん、ありがとうございました
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鏡◆6CsOFCfHcoさん、第五十二話をお願いします
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